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  • 執筆者の写真Takahiko Nishide

胸の痛み、肩甲骨から腕にかけての痛み

更新日:2019年8月15日




胸痛と、背中から上腕にかけての痛みを訴えた事例。


3週間前から、寝ていて起きた時・ドライヤーで髪を乾かしている時・玄関を掃除している時などに、胸の真ん中(胸骨)より少し下あたりが痛み、その際、背部(肩甲骨)から上腕にかけての痛みやダルさも伴うとのことでした。

頻度は1日に1~3回。数分~20分ほど。痛みの程度は強いこともあれば弱いこともあり。


病院(循環器科)での検査では、血圧・心電図・心肺のレントゲン検査のいずれも異常は見つからなかったとのこと。


初発が上半身の強いマッサージ後とのことで、関係が疑われましたが、肋骨と胸骨の関節や肋骨と背骨の関節、および関節周囲の損傷を疑う所見は見つかりませんでした。


脉診(みゃくしん)など東洋医学的な検査では、心臓に関する所見がいくつか見られましたので、病院で一度は異常なしとされているものの、慎重を要する病体であると判断しました。


不安が強く、痛みにフォーカスしやすい性質がうかがえましたので、その部分にも留意することとしました。



(1回目)


腕と足のツボに鍼をしました。

度々胸が痛むようであればもう一度循環器科を受診すべきかもしれないと提案しました。



(2回目)


5日後。

痛む回数がかなり減ったとのこと。


  • 前回治療翌日:肩甲骨の違和感が3回。胸痛は1回、一瞬。

  • 2日後:ときどき「あれ?」とは思うものの、特に痛みなどは無し。

  • 3日後:早朝と日中に肩甲骨の違和感。夜、トイレで動けなくなるほどの胸痛が30分間。

  • 4日後:早朝に肩甲骨から胸にかけての痛みが10分ほど。午前中に肩甲骨の違和感1回。

  • 5日後:来院前(朝)、肩に違和感、2~3分。


1回目に使ったツボを左右入れ替えて施術。


毎回の痛みが違和感で済んでいるのは良い傾向ではあるものの、早朝に痛むことが多いことや、30分という長い時間の発作も起こっていることから、循環器科を再受診するよう指示しました。

できれば症状が再燃しそうな3日後に治療したかったのですが、次回の予約は5日後となりました。



(3回目?)


4日後に電話があり、昨日循環器科を受診して(医師に所見は無いと言われつつも)薬を処方してもらったところ、服用後からすべての症状が寛解したとのことでした。

服薬による治療を優先するということで、翌日の鍼の予約はキャンセルとなりました。

なお、前回の鍼治療後、痛みは出ていないとのことでした。



 


(コメント)


病院での手当(医療)を優先すべき事例です。

鍼でもいくらかの良い影響は出ていましたが、それでもやはり、手に負えない疾患が隠れている可能性が濃いように思えました。


胸の痛みとか、動悸とか。発作が出ている時でないと心電図等に異常が出ない病気はいくつもあります。症状があるうちは何度も病院を受診し、経過を主治医に報告して、治療を進めていっていただければと存じます。


我々鍼灸師は、東洋医学的所見はもちろんですが、職業上許される範囲の検査や問診をもって、“アカンやつ”を見分けられるよう努めています。



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